放し飼いの安全でおいしい卵、祖父江の平飼い自然卵「歩荷」。生産農家から産みたて自然卵を直送いたします。

養老山脈をかなたに望む祖父江の大地を元気に踏みしめ、光と風を感じて育った健康な鶏たちの自然卵です。

歩荷 祖父江の平飼い自然卵

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自然卵「歩荷」は、遺伝子組み換えを行なっていないポストハーベスト無農薬の原料を厳選した
安全な自家配合飼料のみを使用し、特殊成分の添加や薬剤の投与は一切行っていません。

「かけがいのない安心は、自由にのびのびと暮らしている鶏たちからのとても貴重な贈り物です。」
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■ 自然卵農家の農村ブログ 「歩荷の暮らし」 ■

「無洗卵の安全性とSE対策について」

2021/06/04 考[畜産]

先日、FBにて以前の投稿記事「放し飼いの意義」を再掲しましたが、食の安全確保には「放し飼い」の実践のみならず、安心できる原料のみを使用した「飼料の透明性」と鶏の飼養管理区域、産卵環境、出荷体制の徹底した「衛生管理」も重要な項目となります。
今回は、歩荷農場の卵が独自の衛生管理により「無洗卵」で出荷できることから、極めて安全性が高く、生食1ヵ月(10℃以下で保存の場合)の賞味期限を提示できる根拠を論理的に説明していきます。

 

 

平飼い、放し飼いの中でも鶏舎の中に産卵箱を置き、多くの鶏たちが同じ箱で産んでいる産溜め方式(産卵箱に鶏が入れずに土の上で産んでしまう場合も多い。)や屋外で野放しにすることで草叢や木の根元などに産んでしまう放牧養鶏(集卵時に卵を見落とす可能性があるため産卵日の特定があいまいとなる危険性もある。)、カゴの中に鶏を閉じ込め、同じ場所で動くことができずに餌を食べ糞をして卵を産む現代型ケージ方式の養鶏では、糞や土などの汚れが付着してしまうので無洗卵で出荷することはできません。
したがって、厚労省の規定に基づいた消毒洗卵を行わなければならないため、賞味期限は2週間ほどとなってしまいます。(上記生産方法で洗卵を行っていない趣味的な自己満足農家の方も実際には存在しますが、最も危険で論外と言わざるを得ませんのでイメージのみに騙されることなく気を付けて下さいね。)

 

 

さて、本題である無洗卵の安全性に関しての考察を進めて行きたいと思います。
卵は栄養的に大変優れているため細菌にとっては絶好の培地となります。
しかし、①産卵直後の卵内部はほとんど無菌状態である事、 ②クチクラ層(抗菌保護膜)、殻、卵白膜、卵黄膜により物理的に保護されている事、 ③卵白が高PH(アルカリ性)であり、リゾチームなどの抗菌物質を含むためグラム陽性菌が溶かされ繁殖できない事などから、細菌は容易に卵内部に侵入することはできません。
もし仮に侵入したとしても、グラム陰性菌以外は繁殖できないというのが一般的な考えです。
ではなぜ、卵内部に何らかの細菌が繁殖し、腐敗が起こるのか?
その回答として、無洗卵と洗卵を室温(9~10月)に保存して、その細菌数を測った結果、明らかに「洗卵した方が、腐敗卵の発生率も菌保有卵の発生率も高かった」という報告結果が存在します。
この結果は、洗卵時に細菌が水とともに卵内部に侵入する事によると考えられています。(「タマゴの知識」今井忠平 他 著  幸書房 より)

 

 

殻付き卵を商業的に洗っている所では、40~50℃の温水シャワーを浴びせながらブラッシングする事により、卵殻上の細菌を1/100~1/10000程度に落としています。
しかし、洗卵時にある程度の細菌の侵入が起こるため、長くは保存できず、一般的な洗卵の消費期限は10~14日になっているのが現状です。
洗卵についての法的規制は、世界各国で様々に異なっており、アメリカでは洗卵が義務化され、ヨーロッパでは禁止されている所が多いというのは、殻上の細菌除去を重視するか、内部への細菌侵入阻止を重視するかの違いによるものと考えられます。
さて、日本においては厚労省の指導要領で、「正常卵は洗卵しても洗卵しなくてもどちらでも良い」事になっており、洗卵する場合のみ種々の注意事項が決められています。
例えば信じられない事に、次亜塩素酸ナトリウムが発ガン性物質として認識されているにもかかわらず、「すすぎの水の次亜塩素酸ナトリウム濃度は150ppm以上を保つ」などというものも含まれています。

 

 

歩荷農場では、卵内部への細菌の侵入防止及び洗浄剤の浸込み残留防止を最重視し、洗卵しません。
そのために、鶏が土の上で産卵したり、産卵箱に多くの卵が産み溜められることで破損して汚れが付着しないような独自の産卵環境を整え維持しています。
その結果、無菌状態が持続でき、賞味期限生食1ヵ月を提示する事が可能となりました。
もちろん、法的にもなんら抵触することはありません。
さらに、SE(サルモネラ・エンテリティディス)汚染防止対策からの観点で、洗卵すべきかどうかを検討した場合でも、SEが卵内部へ侵入した場合、大変危険なグラム陰性菌(リゾチームで溶菌されない細菌)である事から、侵入可能性のある洗卵を行うよりも、侵入させないために洗卵をせず、クチクラ層を防御壁として残しておくという選択がより適切ではないかと考えられます。

 

 

厚労省の食品衛生法においては、SE中毒撲滅を目的として養鶏場から消費者までの各段階において個別指導が行なわれる事となり、養鶏場においては農水省への依頼という形で、①SEフリー雛の導入、②環境の清浄化、③SEフリー飼料の投与、④SEワクチンの接種、⑤破卵など食用不適卵の排除などが対策として指導要請されました。
当然ながらこの中に、洗卵に関しての規制は含まれていませんでした。

 

 

歩荷農場では「無洗卵」として安全に卵を出荷できるよう、SE対策として下記の事項を特に強化実践しています。
①前述したとおり、洗卵せず、クチクラ層を残す事により、SEの卵内部への侵入を防御し、無菌状態を持続させます。
②餌付けから厳重に管理されたSEフリー雛を導入しています。
③雛の時期に適切なSEワクチンを接種しています。
④SEフリー飼料(SE汚染源になり得る魚粉など動物性素材は極力使用しない)を完全自家配合して使用しています。
⑤定期的に鶏舎内のSE環境検査を行っています。

 

過去に100人以上の犠牲者を出した、イギリスにおけるSE汚染卵問題発生時に、平飼い鶏舎の卵からはひとつも汚染卵が出なかった事実から、「ストレスのない飼育環境ではSE汚染が起こりにくい」と認識された事も興味深い実例として付け加えておきます。

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