アベノミックスの効果(?)で、この所、急激な円安が進み輸入品の価格は異常高騰しています。
家畜用の飼料も同様で、H20年 のリーマンショックを遙かに超える危機的「飼料高騰」という考えられない事態が続いています。
何事においても地に足の付いていない急激な行動、処置は何かと副作用を伴うことが多いのは今さら言うまでもないこと。
どうやら、現政府は「日本を、取り戻す。」のではなく、原発54基を好き勝手に作ってきた経済至上主義、高度経済成長期の当時へ現状を取り戻すことを第一に、危機的な焦りの中で「日本を、もとに戻す」などという大博打を考えておられるようで・・・。
暫定税率もどこへやら、レギューラーガソリン160円台という我々庶民にはあり得ない状況の中、米国モンサント社などとつながりの深い経団連役員などとの関係を最重要視して、いわゆる弱者(我々のようなただの国民)、すなわち邪魔者などは、淘汰するといったお考えなのでしょね。
ちなみに、当農場で使用している遺伝子組み換えを行っていない単体トウモロコシは、通常の物(遺伝子組み換え作物)よりも1Kgあたり、10~15円高値の取引となります。
通常、家畜の飼料は、配合飼料として大手メーカーがすでに配合したものを購入して、そのまま家畜に与えます。もしくは、8割方配合されたものを購入し、2割ほどその農場独自の添加物を加え、特殊卵として販売しているのが現状なのです。
これらの配合飼料は、その内容が明確にされることはほとんどなく、その栄養価だけが保障されるため、実際は、どのような作物を家畜たちに与えているのかを生産者自体ですら把握できていないというのが真実なのです。
なぜならば、その時々で最も安価な素材を使用しなければ利益に影響を与えてしまいますから。
そして、この配合飼料では積立基金に入ることができ、基準以上に価格が高騰した場合は、その高騰分が補填されるようになっているのです。
今回の円安は、あまりにも極端な飼料高騰を招くことになってしまったことから、国も追加補填を行ったとのことです。
しかしながら、当農場のように素材原料全てを単体で仕入れ、100%完全自家配合している場合には、何の補助、補填も認められません。
国は、本当の安全性など重視していないのです。
ちなみに、私たちが農場を始めた当時(H16年)は、非遺伝子組み換えトウモロコシ1Kgが40円で、卵1個を50円で販売していました。
飼料高騰を招いたリーマンショックH20年の頃は、非遺伝子組み換えトウモロコシ1Kgが60円となり、卵1個を60円に値上げしました。
この当時からかなりの危険を感じて、飼料米の取り組みを始めましたが、当時誰も取り組んでいなかった飼料米が導入できるまでには2年の月日を要しました。
現在、非遺伝子組み換えトウモロコシ1Kgは、ほぼ70円近くになってしまい卵1個は税込60円のままです。
そして、おそらく(必ず)消費税は、上昇することでしょう。
適正利潤が得られない状況の中でどうやって私たちはこの農場を存続していけばよいのか・・・。
少なくともお客様に、鶏たちが食べている飼料の全てを説明出来ないような生産者だけには絶対なりたくありません。
長年にわたり、お金儲けばかりを重視してきた結果、強烈な副作用によって、農業や食生活のみならず、我が国があらゆる側面においてジワジワと蝕まれてきたことは今さら否定しようもありません。
それにもかかわらず、国民に目隠しをし、騙し続けてきたのは現与党です。
情けない事実ですが、自給率がたった40%にも満たないというのが、日本の食生活の現状。
TPPの問題も含め、我が国が米国型の農業から脱却しない限り、この国の食の未来が闇となることは明らかです。
■ 飼料米への取り組みは、こちらからご覧になれます。